木曽御嶽山の一帯は、二酸化炭素を含む温泉が数多く湧出しています。 地元の方は、山中を歩いてミミズの死がいがたくさんある場所には、炭酸泉が自然湧出していることを経験的に知っているほど、見慣れた風景のひとつなのです。 しかしながらその炭酸泉は冷鉱泉。多くの温泉施設では沸かしによって二酸化炭素が揮発してしまい、湯船で炭酸泉独特のシュワシュワ感を味わうことはできません。 その中にあって二本木の湯は、温泉の沸かし湯と源泉のかけ流しを湯船でうまく掛け合わせることによって、二酸化炭素の揮発を最小限にとどめています。 人間の手を加えながらも、なるべく成分を変化させず、温泉のよさを生かしたまま心地よく入浴できるようにとの知恵と工夫が生んだ炭酸泉と言えます。 |
|
二本木の湯は、長野県は御嶽山(おんたけさん)の麓、木曽町木曽福島地区の町営の小さな日帰り温泉。 シュワシュワの天然炭酸泉を味わえる稀有な温泉として、密かに知られる名湯です。 |
二本木の湯体験レポート】平成21年8月13日 木曽福島の市街地から国道361号を開田高原に向けて車を走らせること10分。 二本木の湯の案内看板を見て旧飛騨街道へ。 数分の後、目的の『二本木の湯』に到着。 白壁平屋建ての趣のある佇まい。 建屋裏の駐車場には、きれいなバーベキューハウスが。 建屋周辺や玄関まわりも小奇麗に清掃されていて、好印象。 お店の皆さんが、二本木の湯を愛着を持って管理されているのだなと感じます。 決して便利とはいえない立地ながら、子供連れの家族や大阪ナンバーの見受けられます。 玄関をくぐった上がりかまちに温泉分析書が。 平成17年12月と、まだ4年前の分析。 遊離二酸化炭素2,391mg/Lと、源泉は間違いなく療養泉レベルの炭酸泉です。 本当に湯船で炭酸が感じられるか、期待に胸が膨らみます。 浴室には浴槽ひとつ。 湯船や床には温泉成分が固着し、ほのかな硫黄臭が温泉に来たという実感を感じさせてくれます。 吐水口の冷たい源泉を手のひらにすくうと、サイダーのように発泡。 確かに炭酸泉です。 はやる気持ちを抑えて、まずは体と頭をきれいに洗い、いよいよ湯船に。 温泉成分で少し濁ったお湯に体を浸けると、直後に手や足に気泡が付着。 1分もたたないうちに全身泡だらけになりました。 経験した中では、大分県の秘湯、七里田温泉に匹敵する泡つきに感動です! 少々無粋ながら、まわりの皆さんにお断りして遊離炭酸濃度を測定。 裸のお父さんたちがじっと見守る中、いよいよ測定結果が。 吐出口のかけ流し源泉が2,700mg/L、湯船で1,300mg/Lと、療養泉レベルを超える炭酸泉であることを確認しました。 しかも源泉は分析書より高濃度ではないですか。 のちにお聞きしたところ、季節や天候によって湧出量や成分は日々変化。 特に雨量に左右されるそうです。 冷たい炭酸泉を沸かしながらも、本当にシュワシュワの高濃度の炭酸泉となり得るのかを 数字で確認することができました。 少しの工夫で、冷たい炭酸泉もその成分を十分に生かしたままに活用できるのです。 名料理人が、素材のよさを生かして調理し、すばらしいご馳走としてもてなすのと同じであると感じました。 炭酸泉にこだわる者としては大満足の二本木の湯</b>でした。 ※脱衣所には棚にカゴが置いてあるのみなので、貴重品は車の中か浴室前の貴重品ロッカーに入れておくことをお勧めします。 |
施設名 | きそふくしま温泉 湯元 二本木の湯 | パンフレットPDF | 温泉分析書PDF |
住所 | 長野県木曽郡木曽町新開6013-1 | ||
電話 | 0264-27-6150 | ||
営業時間 | AM10:00~PM7:00(7~8月はPM8:00まで) | ||
定休日 | 毎週木曜日(祝祭日は営業) | ||
入浴料金 | 大人600円 小人400円 | ||
アメニティ | 食事処、お休み処、バーベキュー場(要予約) | ||
公式HP | http://www.nanchara.net/nihonngi/index-nihonngi.htm | ||
その他のHP | 木曽路を歩く(株式会社まちつくり木曽福島 ※二本木の湯と提携) 木曽町観光協会 |